NPO法人をつくろう
法人化のメリットは何ですか?
法人化することで、法人名で契約を結ぶことができるようになり、法人名で不動産や自動車が所有できるので公共事業に参入しやすくなるなど、活動の幅が広がります。
任意団体がNPO法人として法人格を取得して、預金口座や契約を法人名で行えば、代表者が交代しても、法人としての名義、契約関係に影響を及ぼすことがないため、活動が継続しやすくなります。
定款等を法的に整備するので、権利義務が明確になり、内部にも外部にも組織の透明性を表すことができ、そのため信用性が保たれます。
法人化のデメリットは何ですか?
NPO法人になることで、公益活動を行う法人として特定非営利活動促進法(以下「NPO法」という)との制約を受け、適正な会計処理、情報公開が義務づけられます。また、他の法人と同様に登記事務、税務の申告義務や雇用した職員の社会保険など、活動以外の業務が発生します。
NPO法人の特徴としては、設立には費用は掛かりませんが、申請が受理されてから最低でも1か月縦覧期間を経るなど、時間を要します。また、解散する場合は、官報に公告するなど費用の負担が生じます。
NPO法の特徴
ボランティア団体や市民活動団体が公益活動しやすくするために定められた法です。個人や特定の団体の利益を目的としないため、多くの人の意見が反映しやすい仕組みになっています。法人の目的に賛同した人が入会しやすいよう、不当な要件を設けることはできませんし、定款変更や解散、合併など法人の重要な決議には、議決権をもつ会員が参加するよう、制限されています。
政治や宗教を主たる目的にすることはできませんし、特定の政党や候補者を支援することは絶対できません。その一方で、法人の自由な活動を妨げないため、行政は必要最小限の監督権に限られており、認証したということは、法人やその活動を所轄庁が認めたということではなく、単に書類審査で法人としての要件を満たしていることを確認したに過ぎません。
NPO法人を監督するのは、不特定多数の市民の方ともいえます。NPO法は設立にあたっての縦覧、設立後の事業報告等の閲覧や事務所における閲覧書類の設置など、他の法にはない情報公開を義務付けています。NPO法人は、自分たちの信用性を高め、より多くの寄付や賛同者を得るためにも、情報開示を積極的に行っていくことが望まれます。
NPO法人の特徴
NPO法人の要件は以下のとおりです。該当するか確認に使ってください。
要件 | 根拠条文 | チェック欄 | |
---|---|---|---|
1 | その団体の活動はNPO法に定めるいずれかの分野に該当する。 | 第2条第1項 | |
2 | 不特定多数の利益の増進に寄与する。 | 第2条第1項 | |
3 | 主に営利を目的としない。 | 第2条第2項 | |
4 | 宗教や政治活動を主目的としない。 | 第2条第2項第2号 のイ・ロ |
|
5 | 特定の政党や候補者の支援団体(反対団体)ではない。 | 第2条第2項第2号のハ | |
6 | 特定の団体や個人の利益を目的としていない。 | 第3条第1項 | |
7 | 特定の政党のために利用しない。 | 第3条第2項 | |
8 | 公益活動に支障が生じるほどその他の活動をしない。 | 第5条 | |
9 | 暴力団やその関連団体ではない。 | 第12条第1項第3号 | |
10 | 社員の(正会員)の資格に不当な条件はつけない。 | 第2条第2項第1号のイ | |
11 | 正会員が10名以上いる。 | 第10条第1項第3号 | |
12 | 報酬を受ける役員は全役員の3分の1以下である。 | 第2条第2項第1号のロ | |
13 | 役員として、理事3人以上、監事1人以上がいる。 | 第15条 | |
14 | 役員は成年被後見人または被保佐人など欠格事由に該当しない。 | 第20条 | |
15 | 役員同士の親族関係はない。 (役員6人以上であれば2人1組は可能) |
第21条 |
NPO法人になるために
具体的な流れは以下のとおりです。
(1)発起人が設立総会に向けて準備する。
(2)設立総会を開く。
(3)申請に必要な書類をそろえ、所轄庁(県又は政令市)に申請する。
(4)書類に不備がなければ、所轄庁が受領し、審査する。
その後1か月間の縦覧(定款や役員名簿などの書類が一般公開されます)を経て、縦覧期間中に寄せられた情報などによって不認証とせざるを得ない場合を除いて、認証されます。
(5)所轄庁から認証書を受ける。
不認証の場合、所轄庁から結果を受ける。
(6)認証書等を元に法務局で設立登記を行う。
設立申請に必要な書類
申請書類の多くは、設立総会で使用しますので、参照してください。
設立認証申請のための必要書類 | 設立総会で行う議案や必要資料 | |
---|---|---|
1 | 認証申請書 1部 法人名、事務所の所在地、法人の目的 |
第7号議案 設立代表者選任と権限委譲の件 認証申請書の申請者=設立代表者を定め、 権限を委譲しておきます。 |
2 | 定款 2部 | 第3号議案 定款承認の件 |
3 | 役員名簿 2部 役員のうち報酬を受ける人も決めておきます。 |
第3号議案、第4号議案 定款承認の件、役員選任の件 定款の附則に設立当初の役員を記載します。 |
4 | 就任承諾及び宣誓に関する承諾書の写し 1部 | 役員選任後、法人に対して提出します。 原本は法人が保管、写しを申請書に添付 |
5 | 役員の住民票 1部 | 役員選任後、法人に提出します。 申請書に原本が必要。 |
6 | 社員のうち10人以上の者の名簿 1部 10名以上社員がいても、10人だけで結構です。 |
総会参加者名簿を元に作成します。 認証申請時にまでに10人必要です。 |
7 | 確認書 1部 | 第2号議案 特定非営利活動促進法第2条第2項第2号 及び第12条第1項第3号に該当する団体 であることの確認の件 |
8 | 設立趣旨書 2部 どのような経緯や考えで設立するのかを 記載します。 |
第1号議案 特定非営利活動法人の設立についての 意思決定に関する件(設立趣旨書に関する件) |
9 | 総会議事録の写し 1部 | 第8号議案 議事録署名人の選任に関する件 総会後作成します。 議長、議事録署名人の署名押印が必要です。 原本は法人が保管し、写しを申請書に添付 |
10 | 設立の初年度及び翌年度の事業計画書 2部 | 第5号議案 設立の初年度及び翌年度の事業計画書 |
11 | 設立の初年度及び翌年度の活動予算書 (収支予算書) 2部 |
第6号議案 設立の初年度及び翌年度の活動予算書書 (収支予算書) |
12 | - | 第4号議案 設立当初の財産目録に関する件 申請書には不要ですが、設立認証後の 法務局登記の際、必要です。 |
最終更新日[2017年4月12日]
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